大量生産

【文】：搭杢煉瓦         
【皮モノ】



街外れの工場にて。
本物の人体に似せた着ぐるみが大量に生産されていた。


「ははは。作業も順調だな」


それを嬉しそうにニヤニヤと眺める工場長。


「おい、見ろよ。君の身体を複製させて造った着ぐるみが大量に生産されてるぞ」


「こんなことをして・・・・・・。いったい何の目的なの？」


作業服を着た１６歳くらいの少女が呟いた。


「決まってるだろ。金さ。君みたいに可愛らしい女の子の着ぐるみは世の男性たちに需
要がある。これをたくさん流通させるのさ。おっと止めたってもう遅いぜ。もうすでに
完成してトラックで運ばれているものもある」


「・・・・・」


「ああ、もちろん儲けは君に半分やるからさ。勘弁しろよ」


「・・・・あ、いや、私に似せた着ぐるみは別に分からなくもないんですが『工場長に
似せた着ぐるみ』の大量生産に何の意味が・・・・？」


「分からんのかね？・・・・・世の女性たちに需要があるんだよ」


「は・・・・はぁ。そうですか・・・・」


そして着ぐるみは大量に生産された・・・。







（了）






※執筆：2012/12/29
※公開開始日：2012/12/30



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