不可抗力(第3話)

結奈(孝雄)はもう少しだけ暗くなってから外に出ることにした。 それまで結奈の所有物(鞄)の中のものを覗いてみることにした。生徒手帳以外にも中 には教科書や参考書、ノート、日記帳、筆記用具など至って普通のものが入っていた。 結奈(孝雄)はとりあえず彼女が記した日記帳を読むことにした。 『女の子なんだし可愛らしいことをたくさん書いてるのだろう』と思い開いてみたのだが内容はあまり良いものではなかった。

(○月×日)

今日の朝、学校に着くと下駄箱に差出人不明の手紙があった。

なんでも『放課後、屋上に来てくれ』とのこと。

暇だから行くことにした。

放課後になり屋上に行くとクラスのA君がいた。

そして告白されたけどAはキモッてて私好みじゃないから

適当に理由を付けて振ることにした。

Aの残念そうな顔を見ていて笑いそうになった。

思いだすたびに・・・・・(笑)



(○月×日)

今日、学校の帰りに駅に寄ったらホームレスのおじさんを目撃した。

物乞いしてて笑えてきたので写メ撮ってダッシュで逃げた。

追いかけてくるかもしれないから気を付けたほうがいいね(笑)



(○月×日)

今日、電車に乗ってたらいつも私が座っているところに

汚いクソ爺が座ってた。

もうその席に私が座ることはないかも(笑)

・・・・・・・


それ以外にもいろいろと人の悪口が記されており、この少女は清楚には見えるのだが性
格はあまり良くないということが分かった。

「これ、マジかよ。女の子の日記だからもう少し良い物が見れると思ったんだが・・・
・・・・とんだ雌狐だな、おい」

と、そのときだった。
鞄の奥のほうから振動音がした。それは携帯電話だった。何通も着信が入っておりどう
やらすべて結奈の親からだった。

「どうやらこの子の帰りが遅いから心配して電話を何通も掛けたってわけか。入れ替わ
っただけで記憶までは読めないし成り済ますの苦手だから適当にメールを送信して電源
を切ろう」

『今、私、電車の中で知り合った痴漢男の家にいてそのまま泊るから心配しないでね♪』

結奈(孝雄)はその内容でメールを送信した。送信が完了すると即座に電源を切り鞄の
中に閉まった。

「さてと、そろそろ外に出るとしよう。チンポ(ペニスバンド)を備えもった変態女子
高生の結奈ちゃんの身体が『嫌らしいことをたくさんしたい』ってすごく疼いてるぜぇ
。ぐひひぃ」

結奈(孝雄)はニヤニヤと怪しい笑みを浮かべながら部屋を出て外を歩き始めた。


(第4話へ)



※執筆:2012/11/22〜2012/11/23
※公開開始日:2012/11/23



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