不可抗力(第16話)

(待ってろよ、愛香ちゃん・・・・・・・おじさんが助けてやるからな) そう決意し病院から出た結奈(孝雄)はアパートに帰るために駅へ向かった。 と、その途中・・・・・鞄から(孝雄の)携帯電話の振動音が鳴った。 「むっ、誰からだろう・・・・?」 結奈(孝雄)はそれを取り出すと公衆電話からで、出て見るとホームレスのおじさんか らだった。 彼は無事に手紙(脅迫状)を届けることができたそうだ。 結奈(孝雄)は謝礼を渡すために彼の住んでいるあの駅・・・・・・ではなく(あの駅 で女子高生とホームレスのおじさんがやりとりをしていると周囲の人からいろいろ怪し まれると思い)孝雄の住んでいるアパートの前で待ち合わせることにした。 結奈(孝雄)は駅に着いて切符を買い改札を通りホームで電車を待つことにしたのだが 待ち時間に大分あったので椅子に腰かけ時間つぶしにこの前の結奈の記した日記帳の続 きを読むことにしたのだが、またしても酷い内容が書かれてあることに気が付いた。 そこには『しね』だの『ころす』だのと酷い言葉が頻繁に使われており障がい者や社会的 弱者、年寄り、自分の気に入らない人物などを徹底的に攻撃していた。 その中には過去にも孝雄の時と同様な痴漢騒ぎを起こしており、気にいらなかったため 騒ぎを起こして無実の人間を痴漢の犯人に仕立て上げたそうだ。 その時に捕まったのは妻子を持った中年の会社員。 それがキッカケで奥さんとは離婚。その子供は学校で苛められ登校拒否。 会社もクビになり彼は何度も容疑を否認しているのだが信じてもらえず、現在でも牢の 中で冤罪を訴えているそうだ。それを嘲笑うかのようにその日記帳には面白おかしく記 されていた。 他にもストーカーだったり泥棒だったりと彼女の近くにたまたま居合わせただけの無実 の人間を不幸に陥れているようだ。 今回、自分に起きた出来事も同様で気にいらなかったという理由で痴漢の犯人に仕立て あげるつもりだったということが伺える。 孝雄は『真実』を隠蔽し別の『偽りの真実』を造り上げ人々を不幸に陥れる彼女の行動 が益々許せなくなった。 だから彼女・・・・・温室育ちで世間外れで自分勝手な稲葉 結奈をとことん罰すること に決めた。 (第17話へ)


※執筆:2012/11/25〜2012/11/26
※公開開始日:2012/11/26



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