カスタマイザー 第4話「本物隠蔽」

「よし、すべてを片付けよう」

男は再び『婦警』の姿に変身し服装を整えた。
そして車を走らせ本物の婦警の元へ戻った。

「むん、むぐぐぐぅん、むぅぅん!!」

婦警がひたすらもがいていた。

「やぁ、婦警さん。苦しそうだね。あんたにはもう用はなくなったから解放してやるよ」

『婦警』は制服を脱ぎ捨て全裸となり男の物と思われる服を身に付け元の中年男性の姿
変身を解き元に戻った。

そしてあっさりと手錠などを外して自由にした。

「あなたね。どういうつもり?」

「さぁ〜ね・・・・お前さんにこの地図をやるよ。ここに女の子が一人、監禁されてる
から助けたほうが良いぜ。じゃーな」

男はそう言い婦警が服を着替えているうちに去って行った。
そうして男は車を走らせ研究室に戻ると服を脱ぎ捨て全裸となった。
そして全身に力を込めると身体が徐々に小柄になりいつの間にか少女・・・・私の姿へ
と変化していったのだ。

偽物の『私』は不適な笑みを浮かべ床に脱ぎ捨てられているセーラー服を手にし着替えた。
『私』はその姿で気絶している私の元へやってきた。

「ぐっすりと眠ってるね。このまま息の根を止めようと思ったのだがさすがに可哀そう
だから地下二階にある誰にも見つからない隠し部屋に監禁しておこう。なーに心配する
ことはない。これからは俺が本物の君になろうじゃないか。だから君はずっとここで眠
っていると良いよ」

『私』は私をおんぶし、床に隠れている地下へ続く階段を下りて地下の二階まで降りた。
そしてとある壁に触れると扉のようにそこの部分だけ開き隠し部屋に入ることができた。

そこはベッドがありリビングテーブル、棚がある六畳ほどの洋室。

私をはベッドで下し布団を掛け眠らせた。

「ふふふ。ここには誰も助けが来ない。これからは俺が本物に成り替わるから、本物の
君はそこでずっと眠っているといいよ。君に飲ませた睡眠薬は実は特殊なもので当分は
目を覚ますことはない。というわけで俺は本物の女子中学生、外崎 麻奈美としてここか
ら出るからな。さようなら・・・・本物の外崎 麻奈美ちゃん・・・・・・」

偽物の『私』は本物である私を暗い地下の隠し部屋に閉じ込め私の存在を抹消した。
それ以来、この部屋には『私』以外誰も来ることはなく、気付かれることもなく、そし
て私はほとんど眠ったままそこで暮らすこととなった。

一方、偽物の『私』はというと地上階に行った後自分の身体をわざと縛り監禁され拘束
されている哀れな少女を演じていたのだが、婦警の活躍によりすぐに見つかり『私』は
助かったようだ。

それが偽物であるとは知らずに・・・・。
いや、本物である私は完全に彼の手により揉み消されたため『私』が本物に成り替わっ
てしまったのだ。

『私』はその事件の後もよくこの研究室に出入りしている。大人から見れば秘密基地か
何かだと思われいているのだろうか。特に何も指摘されなかった。『私』は少女という立
場を上手く利用して怪しい研究に没頭し続けたのだった・・・・。




(第5話へ)

        

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