雨時々ザーメン 第1話「雨の日の悪夢」



十月に差し掛かり、ようやく涼しさを取り戻してきた頃のこと。
ある日の夕方、学校が終わり私は友達の智香と遊ぶため一緒に帰ることになった。

学校を出ると空は分厚い雲の団塊に覆われ、地面は空から降り注ぐ数多の豆粒ほどの大
きさの雨玉により侵食されていた。先ほどまでは雲ひとつない快晴に恵まれていたのだ
が、夕方になり曇りはじめ急に降り出した。

私は傘を持ってくるのを忘れてしまい、友達の智香のところに入れてもらうことにした。

「智香ちゃん、ごめんね。」

「んーん、いいよ、玲奈ちゃん。」

「それにしても雨すごいね。さっきまであんなに晴れてたのに。」

「そうだね。早く止んでくれるといいんだけど・・・・・。」

だが、その想いとは裏腹に雨の勢いは徐々に激しくなってきた。滝が落ちるかのような
音が何度も耳に響き続けた。視界は激しい雨により周囲の世界が遮られてしまい、さら
に勢いづく強風の影響で前を見ることが困難な状況になっていた。

「きゃあああああーー!!」

突如激しい強風が一気に攻め込みあい傘が逆さに折れ曲がり、壊れてしまった。私たち
は已む無く傘を手離し、近くにある廃屋の軒下に非難することになった。走ったため
か、幸いにも制服であるセーラー服はそれほど濡れていなかった。

「早く雨止んでくれないかなぁ。」

「そうだね。ここでしばらく雨宿りしよーよ。」

「うん、そうしよう。」

そのとき屋根の上からなのか、空からなのかわからないが大雨とともに濁った白色の粘液
が目の前にどろどろとゆっくりと流れ落ちてきた。

「あれ?なんだろ、これ?」

私たちはその奇妙な液体に着目していた。それは雨に打たれながらも混じることがなか
った。雨に当たりながらもそれは生き続けている・・・・・・。まるでそれは生物のよ
うだった。さらに驚いたことにそれは私たちのところにゆっくりと近づいてくる。目の
錯覚だと信じたいのだけれども確かにそれは動いているのだ・・・・・・。

「玲奈ちゃん、なんだか、これ気色悪いよ。」

「そうだね・・・・・・。」

智香はそれが不快に思い、ゆっくり近づいてくるその液体を足で蹴って退けようとした。

「・・・・・このっ!!」

だがそれは智香の靴に粘着してしまい取れなくなってしまった。

「やっ・・・・・やあああああ、なにこれ?」

「智香ちゃん・・・・・。」

「やっ・・・・・やだあああああ、はなれてよっ!!!」

その液体は智香の靴に離れようとせず、さらには彼女の足を這い上がっていきスカート
の中に入っていった。

「やっ、やだっ、なにこれっ!!あああっ!!」

智香のショーツの中にその液体が入ってしまい、彼女はこれまでにない不快な心境を感
じてしまった。

「やっ、やだあああ、助けてっ・・・・・・ああああっ!!!!!」

智香は苦しい表情で悲鳴をあげ、その場に倒れた。私はとっさに声を掛けた。

「智香ちゃん、智香ちゃんっ・・・・・大丈夫?!!」

すると・・・・・・・。

「うんっ・・・・・玲奈ちゃん、大丈夫だよっ!!・・・・・・・えへへっ!!」

私の掛け声が通じたのか智香はすぐに起き上がった。気のせいだろうか、顔はにやけて
おり、彼女らしくない怪しい表情で笑っているように見えた。

「よかったぁ。大丈夫みたいだね。」

「うん・・・・・それよりもここだとあまり落ちつかないからこの中に入ろーよ。ほ
ら、中開いてるみたいだし・・・・・・。」

「えっ?でもいいのかな・・・・・・・。」

「いいんじゃない!お邪魔しまーすっ!」

智香は引き戸を勝手に開けて廃屋の中へ入っていった。

「ちょっ・・・・・ちょっとぉ!!まってよぉ!!」

私も智香に続き、仕方なく中へ入ることにした。
リビングには扇風機や掃除機などの日常でよく使われている電化製品が床に細かい破片
として散々していた。テレビ台の上に置かれているテレビは画面が何者かにより突き破
られ壊されている。テーブルや棚、ソファーも同様に分断されており残骸と化してしま
っている。

「こっ・・・・・これは・・・・・ひどい・・・・・。いったい誰がこんなことを・・・・・・。」

私はこの荒らされている光景を見て不快に思った。

「ねぇ、智香ちゃんっ、帰ろーよ。」

「ふふふ、帰るっていっても外はまだ雨だよっ、もう少しだけココにいよーよ!!」

智香は今までに見せたことのない不気味な表情で答えた。
彼女は隣のダイニングのほうへ向かった。

テーブルにはご飯、ベーコン、目玉焼き、わかめの味噌汁が四人分置かれていた。それ
は食べかけのようだった。一週間・・・・・・・いや一ヶ月・・・・・・・もしかして
それ以上なのか・・・・・・・・いったい、どのくらいの時が経過したのかはわからな
いが食べ物は腐っておりとても見られる光景ではなかった。さらにそこからすさまじい
異臭を放ち鼻を狂わせる・・・・・・。

その他にも至る所に皿やどんぶりなどが床に落ちていたり、冷蔵庫を開けるとたくさんの
食べ物が置かれていた。

他の部屋も見る限りではとても生活観溢れており人が住んでいてもおかしくない場所
である。だが、部屋は荒れており住人の姿はどこにも見当たらない。いったい、どこに
いったのだろうか。

「ねぇー、智香ちゃんっ、気分が悪くなっちゃったっ、外に出よーよぉ。」

「ふふふ、今度は二階に上がりましょう、玲奈ちゃん!!」

「そんなぁ・・・・。」

「大丈夫・・・・・これが最後だから・・・・・・。」

「本当?」

「本当よ。・・・・・ふふふ。」

智香は階段を昇り二階へ行った。二階には部屋が三つあり階段から向かって正面にあ
る部屋へ入った。

ドアを開けると、そこは六畳ほどのフロアになっており向かって右側にベッドがあり、
正面に机、左側には箪笥や棚が置いてある。またベッドの上や棚の上には犬や猫のぬ
いぐるみが置かれており全体的に少女が住んでいそうな部屋だった。

「この部屋は一階の部屋と違って荒らされていないよ・・・・・ね・・・・・・・。」

「そうだね・・・・・・えへへ・・・・・・。」

ガチャッ!!!

智香はドアを勢いよく閉めて鍵をかけた。

「ふふふ・・・・・・・・ねぇ、ここの住人どこへいったんだろーね。」

「智香ちゃん・・・・・・・。」

智香はいつもと様子が違っていた。彼女は不気味な表情を浮かべながら言った。

「・・・・・・ねぇ、玲奈ちゃん・・・・・・・こんなところに二人でいるなんて初
めてだよね。・・・・・・・一緒にエッチなことでもしようっか・・・・・・・。」

「・・・・・・えっ?」

智香が信じられない言葉を発し私は自分の耳を疑った。

「智香ちゃん・・・・・何いってるの・・・・・?」

私はこのときまで彼女がふざけて言っているのだと信じていた。私は鍵を開けてドアを
開こうとしたのだが後ろから胸を触られた・・・・・・・・。

「きゃっ・・・・・!!」

私はとっさに後ろを振り返ると智香がにやけた顔つきで必死に私の胸を掴んでいた。彼
女は今までにこんなことをするような人ではなかった。私は彼女のこの有り得ない行為に
驚いていた。そう思うと私は急に身体に寒気と震えが走るのを感じ始めていた。

「智香ちゃん、何してるの?やめてっ!!」

「はぁ〜はぁ〜、これが玲奈ちゃんのオッパイなんだねっ、柔らかいよぉ〜。」

「智香ちゃん、ふざけないでよっ、はなしてっ!!」

私は何度も智香の手を離そうとしたのだが彼女は離そうとぜず、ついには手を動かし胸を
揉み始めた。

「やっ、やめてっ、智香ちゃんっ!!はあんっ!!」

私は不覚にも今までに味わったことのない快感により喘ぎ声を漏らしてしまった。

「ぐふふっ・・・・・・こんなに胸が大きいんだね、玲奈ちゃん。敏感に反応してくれ
てうれしいよっ。もっと玲奈ちゃんを楽しませてあげるねっ!!」

「・・・・・えっ?」

「・・・・・・・。」

智香はいきなり女性とは思えない強い力で私の身体を引っ張りベッドに押し倒した。私
はベッドに仰向けになり起き上がろうとしたのだが彼女がすぐに私の上体に乗り手足を
抑え付けられ身動きが取れなくなっていた。

「いきなり何するのっ?・・・・・・智香ちゃん!!」

「・・・・・・今から玲奈ちゃんに教えてあげるね・・・・・・・・女の子の快感って
やつを・・・・・ぐふっ・・・・・・・・ぐひっ、・・・・・・ぐひひひひぃっ・・・・
・・・・・・ぐひいぃぃ・・・・・・・。」

智香は下品な笑い声を出しながら言った。





(第2話へ)

        

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